2013年12月21日土曜日

ブリーディングの論理


ブリーディングとは単に雄犬と雌犬を交配させる事ではなくブリーダーが犬種のスタンダードに基づいて自分自身が想い描く理想のタイプの犬を創る為の行為でありその目的のために雄、雌、のジェネレーションをリサーチして次世代へ優秀な血液を伝えて行く事である。ブリーディングにおいてもすべての雄、雌の相性が良い訳ではないので自然交配が可能ではなくその場合は人工授精を行います。知識のある方が人工授精を行えば自然交配と同程度の受胎確率が得られます。

 

雌犬によっては排卵日が不規則で一般的に言われている発情出血から11日目〜14日ぐらいと言うのは単純には当てはまらずスメアチェックやプロジェステロン検査を行います。プロジェステロン検査の出来る獣医師は各都道府県に数軒しか無く大変苦労をしますが私共では確率の高いプロジェステロン検査を受けてからブリーディングを行っています。
 
 
 
 
【人工授精】

 

・精液の採取

雄犬の陰茎が包皮から突出した直後に包皮を手指で後退させ亀頭球を採取者の手で握り殺菌してあるビニール袋に10分から15分ほど採取すると約30cc程度の精液が採取できるのであらかじめ温めておいたシリンジで吸い取る。本来は顕微鏡があれば精子の量と質を検査してから採取する事が望ましい。

精液は3分画からなり、第1分画は12mlの透明な前立腺液、第2分画は12mlの白色の精子を含む精液、第3分画は520mlの透明な前立腺液からなる。精液を凍結するならば精子を含む第2分画のみ採取しなければならないが精子を直ちに人工授精に用いる場合は、12mlの前立線液を採取し、精液を他の希釈液で希釈せずに人工授精に供する。授精する精液の量は、精液の逆流を減らすため、大型犬種では3ml、また、第3液を多く加えると精子の濃度が低くなり、不妊となるので注意が必要である。

 

・授精方法

人工授精は、雌犬の後躯を持ち上げた状態で、シリコン製のバルーンカテーテルとシリンジを組み合わせた人工受精用のキットを用いてJellyを塗り陰部からカテーテルを20cm程挿入した後にバルーンを20mlほど膨らまして腟の奥に精液を注入しこの状態を10分ぐらい維持します。


バルーンを膨らませた時のカテーテル
 
バルーンカテーテル